源氏物語から現代を紐解く・二十八帖 野分(のわき)

野分のあらすじ

秋好む中宮は里帰りし六条院の庭で花を植えられていますが、例年より色とりどりに美しく咲き、花々を見て爽やかな気分に浸っておられます。しかしそこにそこに野分(台風)がきて吹き荒れます。

スポンサードリンク


夕霧は六条院に台風見舞いに訪れ、何気なく妻戸のあいている隙間から見ると女房おり、立ち止まり見ていると風が吹き屏風が揺れ中まで見えます。そこに座っている方は紛れもない紫の上で、気高く綺麗で輝いて、春の夜明けの霞の間から樺桜が咲きこぼれているのを見る感じでした。

そこに源氏が来て「いやな風だね。心配させる風じゃないか。格子を下ろしてくれ」と言っています。

夕霧は紫の上を見たことを告げずに、源氏にお見舞いの挨拶をします。

源氏:「中将はどこから来たのか」

夕霧:「三条から参りましたが、ひどい嵐になりそうだったのでお見舞いにきました。三条も怖がっておられますので、また参ろうかと思っておます。」

源氏:「そのとおりだ。三条にかえって御伺申せ。」

*このような会話が交わされますが、そこには源氏の思いが秘められています。

源氏はかつて帝の后の藤壺と過ち犯し、子供をもうけましたが、そんなことを繰り返してはならないと思っているのです。そんなことから、夕霧に警戒心をもち、これまで夕霧と紫の上との接近を極端に避けるようにしてきたのです。夕霧も源氏が過ちを犯した年齢の15歳になっています。

夕霧は激しい嵐が吹く中で前々から恋しい思う紫の上をかいま見て忘れないでいます。そして自分自身を「これは何としたことだ。けしからぬことが頭をよぎり恐ろしいことだ」と思っています。

源氏、夕霧は野分の見舞いを行う

源氏は中宮、花散る里、明石の御方、玉鬘などを見舞う。夕霧も明石の姫、大宮を見舞う。野分は二人の訪問先の会話など心の動きが綴られ、源氏と夕霧の心の動きも書かれています。

*源氏と紫の君の会話

源氏:「昨日の風が吹いた騒ぎで、中将(夕霧)はあなたを見たのではないか。あの戸が開いていたからね。」

紫の上:「どうしてそんなことがございましょう。渡殿のほうに人の物音しませんでしたのに」

源氏:「それでも変だ」・・・とつぶやいています。

など源氏のきめ細やかな心の動きなど、人々の心が描写されています。現代でも人の心は日々動いています。その日その日で状況が一変することもありますね。源氏物語を読んでいると今も昔も変わらない人の心情を伺うことが出来ますね。

スポンサードリンク


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください