源氏物語から現代を紐解く・二十三帖・初音(はつね)

正月の宮中は行事で一いっぱい

源氏物語を読んでいきますと、私たちが日頃なれ親しんでいるものが登場してきます。平安時代の宮中社会で行われていたものが、現代でも私たちの暮らしの中生きて出いますね。

歴については現代は明治時代に制定されたグレゴリオ歴が使われていますが、平安時代は中国から入ってきた陰暦が使用されていますので現代の季節感とは少し違いがあります。

*正月の鏡餅は当時は餅鏡と言われ「葉固め」の儀式の中で使われています。鏡餅の原型になるもと言われている儀式です。この時代から始まったと言われます。

*七草粥が現代でも食べられていますが、七草粥もこの時代から始まったと言われます。

*正月に飾る門松もこの時代から始まったと言われています。

初音は公家社会の正月風景が描かれています。公家社会は行事が沢山あり、その行事を行うことがことが公家の仕事でもありました。正月の宮中は当時かなり忙しかったよようです。「枕草子」にも正月の宮中の様子が書かれています。

源氏物語・初音(はつね)のあらすじ

*六条の院の正月の模様が描かれています。源氏は、明石の君、花散里、玉鬘、明石の御方などを新年の年賀・訪問をしていきます。

源氏と女性たちとの模様が綴られています。まるで絵巻物のようです。「初音」を読むだけで源氏物語に神髄がわかるような気がします。

*初音の題の由来は、明石の君が我が子の姫君に贈ったとその返歌の場面からつけられています。明石の君の子供の姫君は明石の君に会うこともなく源氏のところで育てられています。明石の君の我が子の成長を思って歌を贈ります。

明石の君:「年月をまつに引かれてふる人に今日鶯の初音聞かせよ」

(あなたの成長を待ち続けて年をとってきた私に今日は初便りを頂戴ね)

源氏:「この御御返りは自ら聞こえ給へ。初音惜しみ給ふべきかたにもあらずかし」

(お返事は自分でなさい。実のお母さまなのだから、初便りをちゃんと出さなきてはなりませんよ)

姫君:「ひき別れ年は経れどもうぐいすの巣立ちし松の根を忘れめや」

(お別れして年はたちましたけれど、鶯は、私は、松の根、お母君を忘れましょうか)

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年が改まった元日の朝の空は一点の曇りもなくうららかな日で雪の間に草がいきいきと緑の色を見せはじめ、待ちかねて春らしく立つ霞に木の芽も萌え出て、それにつれて人の気持ちものんびりした感じがするものです。

六条院は庭をはじめてして見ごたえが多く、正月を迎え華やかな雰囲気に包まれています。女たちも華やかな衣に身を包み華やかさ正月らしく増し、形容しようにも言葉がたりません。

<新春の源氏と紫の君との会話>

源氏:「うす氷とけぬ池の鏡にたぐひなきかげぞならべる」

(春が来て薄氷もとけて鏡のように澄んでいる池の面に、世の中にまたとない幸せな私たちの姿が二つ並んで映っている)

 

紫の君:「曇りなき池の鏡によろづすむべきかげぞしる」

(一点の曇りもない鏡のような池の面に、いつまでも変わりなく住んで行く私達の影がはっきりと映っています)

源氏は明石の君を訪問しますが、明石の君のふるまいは控えめできめ細やかな気配りの中で、白い表着、黒髪心がそそられ、新年早々ではありますが泊まってしまいます。

源氏は他の女のことを気にします。特に紫の上のことが気にかかります。紫の上の御殿には朝早く戻りましたが紫の上がご機嫌ナナメです。源氏は「変なうたた寝をして、年がいもなく眠りこけてしまったのに起こしてくれなかったもんだから」と言い訳してバツが悪いので昼まで寝ます。

*今日でもよくある話で、源氏を取り巻く女性の関係が正月を舞台に展開されています実に面白いですね。是非読まれることをお薦めします。

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