源氏物語から現代を紐解く・二十六帖 常夏(とこなつ)

 撫子

常夏題名の由来

「撫子(なでしこ)」は古くは「常夏(とこなつ)」と言われていました。この帖は撫子に由来します。

源氏が若い時の話で「雨夜の品定め」の帖に、頭中将(現・内大臣)は子供が出来ながら突然いなくなった夕顔の話をします。玉簾は内大臣と夕顔の子供です。夕顔は常夏とも呼ばれ、その子は撫子と呼ばれています。

(夕顔・頭中将(内大臣)への手紙)

「山がつの垣ほ荒るともをりをりにあはれはかけよ撫子の露」

夕顔:(卑しい山里の人の私の家の垣根は荒れていますが、時々はお情けの露をかけてください、この垣根に咲く撫子のような幼子ぬは。)

頭中将:「咲きまじる色は何れとわかねどもなほ常夏にしくものぞなき」

(いろいろ咲いている花はどれが美しいと区別がつかないけれど、やはり常夏ー妻であるあなたに及ぶものはありません)

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