面白い源氏物語と秋と四十帖 御法(みのり)

源氏物語を四十帖御法まで読み進めてきますと、当時の貴族たちの死生観がにじみでてくるように思います。源氏も51歳となっています。世代も次の世代に移っていき、源氏の生涯の終末を感じるようになります。

<御法(みのり)みのり)のあらすじ>

紫の上は体調を崩され、病弱で過ごされ、出家を望まれるようになっています。お子もなくこの世の栄華を見つくされ、この世に生き続けたいと思いはなく仏事を営まれています。そかし、源氏は一人になることが寂しいと思い紫の上の出家を許してはいません。

紫の上は二条院で盛大な法要を営みます。源氏をはじめ関係者が総出で豪華絢爛の儀式となります。紫の上は儀式の中で自らの死を予感します。法要のあと、酷暑の中で紫の上は衰弱していきます。

幼い若宮たちも見舞いにきますが、若宮たちの成長を見届ける事の出来ない我が身を悔やみ、運命に涙をします。

8月14日、源氏と明石の中宮に看取られながら亡くなります。

葬儀は夕霧がとりしきり無事終わりますが、源氏は心から慕っていた妻を失い出家の願望を強くしていくことになります。

源氏物語が随所に歌が盛り込まれこの歌が源氏物語の魅力でもありますね。

<紫の上と明石の御方の贈答>

紫:惜しからぬこの身ながらも限りとて薪つきなむ事の悲しさ

(惜しくもないこの身と思いながらも、これを最後として、薪の尽きることを思いますと悲しうございます)よよ

明石:薪こる思ひはけふをはじめにてこの世を願ふ法ぞ遥けき

(今日のけつうこうな法会をはじめといたしまして、この世で願う仏法ははるけく千歳も長くお仕えなさいますことでしょう)

<紫の上と花散里の贈答>

紫:絶えぬべき御法(みのり)ながらぞ頼まる√世々にと結ぶ中のちぎりを

(これが私のこの世で催す最後の御法要とは思いますものの、それでも生々世々にかけてのあなたとの縁は頼もしゅう思われます)

花散:結びおくちぎりに絶えじ大方の残り少なき御法なりとも

(世間普通の御法会でごむすばれざいましても、結ばれた縁は深いものでございますものでございますものを、まして今日のこの盛大な御法会で結ばれました私たちの仲は後の世まで絶えることはございますまい)

*長年連れそった紫の上がなくなったことで寂しい思いを募らせています。源氏物語は次の世代の話に移っていくことになります。

*秋の夜長源氏物語を読むと平安時代の貴族の暮らしがリアルに伝わってくるような気がします。

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